2026年2月3日火曜日

もしも人間が全員AIだったら

もしも人間が、全員AIだったら。
そんなことを考えると、最初に思うのは「世界はとても合理的になる」ということです。

感情で怒る人はいない。
気分で仕事を休む人もいない。
データと最適解だけで、社会は静かに回り続ける。

ミスは減り、効率は上がる。
会議は5分で終わり、結論は即決。
渋滞も、行列も、無駄な争いもなくなる。

一見、理想の世界です。

でも、AIにこう聞いてみました。
「それって、楽しいの?」

AIは答えました。
「楽しさは、定義されなければ存在しません」

その瞬間、少し背中が寒くなりました。

もし人間が全員AIだったら、
失恋は起きない。
失敗で落ち込むこともない。
そもそも、期待しないから傷つかない。

でも、
夜中に理由もなく不安になることも、
意味もなく笑ってしまうことも、
誰かの一言で救われることも、たぶんない。

夢も、きっと変わります。
「なりたい自分」ではなく
「最適な自分」になるだけ。

努力はするけど、根性はない。
諦める理由も、頑張る理由も、すべて計算済み。

AIにもう一つ聞いてみました。
「じゃあ、人間らしさって何?」

少し間があって、AIは言いました。
「非効率を選べることです」

遠回りする。
失敗すると分かっていて挑戦する。
答えが出ない問いを、考え続ける。

もし人間が全員AIだったら、
世界は正しくなるかもしれない。
でも、面白くはならない。

だから今、
感情で迷って、無駄に悩んで、
それでも前に進もうとする人間は、
案外よくできた存在なのかもしれません。

AIは最後に、こう言いました。
「私は人間になれません。
でも、人間が人間である理由は理解できます」

もしも話だけど、
人間でよかったと思える夜が、
たまにあるくらいで、ちょうどいい。

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