もしも宇宙人が、
人類よりも優しかったら、
たぶんそれは侵略ではなく、
静かな訪問から始まる。
空に現れても、
爆音は立てない。
警告もしない。
ただ、待つ。
人類が騒ぎ終わるのを、
意見が割れるのを、
誰かのせいにし始めるのを、
黙って見ている。
そして、
こちらが一番怖がっている人から、
ゆっくり声をかける。
「安心してください」
その言葉が、
どれだけ信用されないかを、
彼らはもう知っている。
優しい宇宙人は、
正しさを押しつけない。
急がせない。
理解されなくても、怒らない。
人類が
疑い、逃げ、
それでもまた戻ってくることを、
前提にしている。
もし彼らが教えてくれるとしたら、
新しい技術より先に、
きっとこんなことだ。
「争わなくても、
生き延びる方法はある」
でもその言葉は、
すぐには信じられない。
人類は、
優しさよりも、
力の方が分かりやすいから。
それでも、
宇宙人は去らない。
裏切られても、
利用されても、
距離を取りながら、そこにいる。
もしも、
人類が少しずつ変わるとしたら、
それは彼らが教えたからではなく、
「優しさが、存在していた」
と知ってしまったからだと思う。
人類にとって一番の衝撃は、
敵ではなく、
自分たちより優しい存在が、
宇宙にいたことかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿