2026年4月2日木曜日

もしも宇宙船に乗って火星に行けたら

火星に到着

もしも宇宙船に乗って、火星へ行けるとしたら。
その旅はきっと、想像しているよりもずっと静かで、ずっと長い時間になる気がする。

窓の外には、ただ広がる深い闇。
星は無数に瞬いているのに、どこか音のない世界。
地球にいた頃の「夜」とはまったく違う、完全な静寂。

時間の感覚も、少しずつ曖昧になっていくかもしれない。

朝も夜もはっきりせず、ただ機械のリズムと自分の呼吸だけが、
現実をつなぎ止めてくれる。

そんな中でふと、地球のことを思い出す。
当たり前に見ていた空や、風の匂い、遠くの生活音。

あれは、とても豊かな世界だったんだなと、
離れて初めて気づくのかもしれない。

そして長い旅の先、火星が見えてくる。
赤く、乾いた大地。
どこか寂しさを感じる色なのに、不思議と目が離せない。

実際に降り立ったら、きっと静けさに包まれる。
風はあるのに、音がほとんど届かないような、不思議な感覚。
足跡だけが、ゆっくりとそこに刻まれていく。

そのとき、自分は何を思うんだろう。
「すごい」と感じるのか、
それとも「帰りたい」と思うのか。

もしかしたら、そのどちらでもなくて、
ただ静かに、この瞬間を受け止めるだけなのかもしれない。

もしも宇宙船で火星へ行けたら。
それは冒険というより、自分自身と向き合う旅になる気がする。

広すぎる宇宙の中で、
自分がどれだけ小さくて、でも確かに存在しているのか。

そんなことを、ゆっくりと感じる時間になるのかもしれない。

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