ふと、そんなことを考える夜がある。
地上で見上げる星空は、どこかやさしい。
街の明かりに少し負けながらも、それでもちゃんと輝いていて、遠くにあるはずなのに、どこか身近に感じる。
じゃあもし、この世界で一番高い場所まで行けたとしたら――
空は、もっと深くなるのだろうか。
星は、もっと近くに感じるのだろうか。
空気は限りなく薄くなり、音もほとんど消えていく。
風の音すら遠のいて、ただ「静けさ」だけが残る世界。
その中で見上げる星は、きっと地上のそれとは違う顔をしている。
やさしく瞬くというより、鋭く、はっきりと光る。
ぼやけることなく、逃げることもなく、ただそこに「存在している」と主張するように。
もしかすると、その光は少し怖いかもしれない。
あまりにも遠く、あまりにも確かなものだから。
それでもきっと、人は見上げてしまう。
理由なんてなくても、ただ惹かれてしまう。
高い場所に行けば、星に近づけると思っていたけれど、
本当は、どこから見ても距離は変わらないのかもしれない。
それでも――
少しだけ世界から離れた場所で見る星空は、
自分の小ささと、この世界の広さを、静かに教えてくれる気がする。
だから今日も、地上から見上げる。
ほんの少しだけ、あの「いちばん高い場所」を想像しながら。
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