もしも声がすべて届くなら、誰もが孤独を感じることはなくなるだろうか。
小さなつぶやきも、心の奥底で思うことも、遠くの誰かの耳まで届く世界。
伝えたい言葉は、もう消えることなく、空を渡って相手に届く。
「ありがとう」も、「ごめんね」も、「大好き」も、見逃されることはない。
その分、嘘や誤解も、覆い隠せないかもしれない。
誰かの悲しみや怒りも、声に乗って届く。
聞きたくなかった感情も、無意識の叫びも、知らず知らずのうちに心に触れる。
世界は透明になるかもしれない。
でも、もしすべての声が届くなら、人はもっと慎重に、
そしてもっと丁寧に言葉を選ぶようになるだろう。
空に響く声の一つ一つが、宝物にも、刃にもなることを知るから。
届く声が多いほど、私たちは互いの存在を意識する。
誰かの小さな声にも耳を傾け、世界の隅々に気持ちを届けようとする。
声が届くことは、ただの情報のやり取りではなく、心の繋がりになる。
もしも声がすべて届くなら、私は今日も、静かに、自分の思いを紡ぐだろう。
届くかどうかはわからないけれど、それでも声を出す意味を、少しだけ信じて。
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