2026年2月25日水曜日

もしも時間が逆に流れたら

目を覚ますと、昨日の出来事がまだ先にあるような気がした。
時計の針は戻り、街の音も、車の走る方向も逆になる。
人々は言葉を飲み込み、笑いを戻していく。

壊れたコップが空中で元に戻り、こぼれた水は元の瓶に戻る。
書いた手紙は消え、受け取る前の状態に戻っていく。
過ぎ去った記憶も、少しずつ霧の中に消えていくようだ。

もし時間が逆に流れる世界では、僕たちは「終わり」を恐れなくてもいいのだろうか。
失敗も傷も、ただ元に戻されるだけの景色の一部。
でも、逆行する世界で、初めて出会った人の笑顔も、愛しい瞬間も、やっぱり同じように輝くだろうか。

逆に流れる時間の中で、僕は今日をどう生きるのだろう。
すべてが戻るなら、後悔も恐れも意味を失うのかもしれない。
それでも、ほんの一瞬の選択が、また未来の記憶として重なる。

時間が逆に流れる世界。
過去も未来も、ただひとつの線の上で踊っている。
僕はその流れに身を任せ、もう一度、歩き直すしかないのだろう。

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