勉強をしていると、一度は思いますよね。
「昨日覚えたはずなのに、もう思い出せない……」
単語帳を開いて、見覚えはあるのに意味が出てこない。公式を覚えたつもりでも、翌週にはさっぱり。そんなとき、「忘れるって、本当にやっかいな機能だな」としみじみ思います。
では、もしその「忘れる」という機能が、ある日まるごとなくなったらどうなるのでしょうか。
今日は、そんな少し不思議な「もしも」について考えてみたいと思います。
勉強は、確かにラクになりそう
まず、いいことから考えてみましょう。
一度読んだ参考書の内容は、ずっと頭に残る。英単語も歴史の年号も、一回で完璧。復習という作業そのものが、いらなくなります。
試験前に徹夜で詰め込む必要もありません。「あれ、どこに書いてあったっけ」と探し回る時間もなくなります。
勉強が苦手な人にとっては、まさに夢のような世界です。
でも、全部が残り続けるとしたら
ここで、ちょっと立ち止まってみます。
覚えておきたいことだけが残るなら、最高です。でも「忘れる機能がない」ということは、覚えておきたくないことも、全部残るということです。
- 昔の恥ずかしい失敗
- 言われて傷ついた一言
- 思い出したくない、あの日のこと
- どうでもいい広告の文句や、通りすがりの会話
これらが、色あせることなく、ずっと鮮明なまま頭の中に居座り続けるわけです。
想像するだけで、ちょっと息が詰まりませんか。
「忘れる」は、実は心を守ってくれていた
私たちは普段、忘れることを「欠点」のように扱います。でも、よく考えると、忘れるおかげで助かっている場面はたくさんあります。
悔しかった出来事も、時間がたつと「まあ、いいか」と思えるようになる。つらかった記憶の角が、少しずつ丸くなっていく。喧嘩した相手とも、いつの間にかまた笑って話せるようになる。
これは、忘れるという機能が、静かに心の整理をしてくれているからかもしれません。
もし全部がそのまま残ってしまったら、気持ちを切り替えるのは、今よりずっと難しくなる気がします。
忘れるから、また新しく覚えられる
もうひとつ、勉強の視点から面白いことがあります。
人の脳は、忘れることで、大事な情報とそうでない情報を自然と選り分けているといわれています。何度も使う知識は残りやすく、使わない情報は薄れていく。つまり、忘れることは「整理整頓」でもあるのです。
押し入れがパンパンだと、新しいものを入れられませんよね。頭の中もきっと同じです。
忘れるからこそ、また新しいことを学べる。そう考えると、「忘れる」は勉強の敵ではなく、むしろ相棒のような存在に見えてきます。
忘れるから、思い出す喜びもある
それに、忘れていたことをふと思い出す瞬間って、ちょっと嬉しくないですか。
何気なく聞こえてきた音楽で、昔の景色がよみがえる。懐かしい匂いで、子どものころの夏を思い出す。「あ、そういえばこんなことあったな」と、胸があたたかくなる。
ずっと覚えているままなら、「思い出す」という体験そのものが、なくなってしまうのかもしれません。
忘れていたからこそ、思い出したときに、宝物を見つけたような気持ちになれる。そう思うと、忘れることにも、ちゃんと意味があるんだなと感じます。
結局、幸せなのか
ここまで考えて、私なりの結論です。
「忘れる機能がなくなったら、人は幸せなのか」と聞かれたら、きっと、あまり幸せではないのではと思います。
勉強はラクになるかもしれません。でも、嫌な記憶も、いらない情報も、ずっと抱えて生きていくのは、思っている以上にしんどそうです。
忘れるから、人は前に進める。忘れるから、また新しいことを覚えられる。そして、忘れるから、思い出す喜びがある。
勉強する私たちにできること
とはいえ、勉強中に忘れてしまうのは、やっぱりちょっと悔しいものです。
そんなときは、こう考えてみてはどうでしょうか。
「忘れるのは、ダメだからじゃなくて、人間だから」
忘れたら、もう一度見返せばいい。何度か繰り返すうちに、少しずつ頭に残っていきます。その「繰り返し」こそが、勉強の一番自然な形なのかもしれません。
完璧に覚えようとしなくて大丈夫です。忘れては思い出して、また忘れて、また思い出す。そんな行ったり来たりの中で、知識はゆっくり自分のものになっていきます。
まとめ
- 「忘れる」がなくなれば、勉強は確かにラクになりそう
- でも、嫌な記憶やいらない情報も、全部残り続けてしまう
- 忘れることは、心を守り、頭を整理してくれる大切な機能
- 忘れるからこそ、新しく学べるし、思い出す喜びもある
- 忘れてしまうのは、人間らしい自然なこと
今日、何かを忘れてしまって落ち込んだ人がいたら、ぜひ思い出してください。
その「忘れた」は、あなたの頭と心が、ちゃんと働いてくれている証拠です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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